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みんなはこうだったんですね。
2013.12.12
「みんなはこうだったんですね」
これは、多くのクライエントさんからお聞きする言葉です。
リラックスした状態を生れてはじめて体験したとき。
安心がどういうものか、はじめてあじわったとき。
体のどこにも痛みがないというひとときをはじめて経験したとき。
日常生活を振り返って、話してくださることもあります。
「このまえ、はじめて緊張せずに人と話している自分に気づいたんです」
「まわりの景色がよく見えるようになりました。こんなに色鮮やかだったのですね」
などなど。
そして、そのあとに・・・
「ああ、みんなはいつもこうなんですね」
「ほかの人は、最初からこうだったんだ」
深いため息のようにもれてくる言葉です。
「ずるい」
「不公平だ」
「これなら、みんなはできてあたりまえじゃない」
「みんなは、こんなに楽だったの?」
そんな思いも聴かせてくださいます。
「なぜみんながふつうにできていることを、自分はできないのだろう」
そう自分を責め続けてきた人たちの思いです。
「どうしてできないの」と叱られ続けてきて、自分でも自分のことを「ダメな人間」と思ってきた人たちの言葉です。
そして、その後に・・・・語ってくださる別の思いがあります。
「ああ、私はほんとうによくやってきたんですね」
「よくがんばってきたなと、自分をほめたいです」
「今までは、どうしても自分を好きになれなかった。でも、今、はじめて心の底から自分を認めることができます」
そんなふうに話してくださるのです。
誇りをとりもどされた瞬間です。
私自身も、何回かの大きな回復と変容のたびに同じように感じました。
「ああそうだったのか」
「他の人はこんなふうに感じていたのか」
「私は知らなかった」
「今まで体験したことがなかった」
知らなかった悲しみと、今知ることができたうれしさと、ようやく荷物をおろせたようなあんど感とがまざったような体験。
おろすことができたときに初めて、自分はこんな重荷をせおっていたのかと気づくことができます。
症状が癒され、心や身体がらくになってはじめて、自分はこれほどまでに大変な状態だったのかと知ることができます。
そのような中で生き延びてきた自分、努力し続け、あきらめなかった自分を心から誇りに思い、好きになることができます。
クライエントさんたちのこのような瞬間に立ち会わせていただくとき、いつも感謝の思いがあふれます。