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劇的なことを期待しなくていいんだよ。
2015.08.09
この話、ときどきクライエントさんにシェアするのですが、
役立つことが多いようですので、ブログにも書いてみますね。
私がまだソマティック・エクスペリエンスのトレーニング受講生だったときのことです。
もう5年ほど前のことでしょうか。
受講生は、一定時間以上の個人セッションを受けることが課されています。
私も、当時のアシスタントたちから、せっせとセッションを受けていました。
そうした中のあるセッション・・・アレ・デュアルテというブラジル人の
男性ロルファーさんとの通訳を介してのセッションでのこと。
それぞれ席について、さあ、いよいよ始めましょう!というタイミングで、
こんなやり取りがありました。
アレ 「Junko、SEでは劇的なことは何も起こらなくていいんだよ。劇的なことが起こるのを期待しなくていいんだ」
わたし 「はい・・・・・・???」
アレ 「なぜ僕が、いまこう言ったのだと思う?」
わたし 「・・・私が・・・劇的なことを期待していると思ったから・・・??」
アレ 「そう!(笑)」
わたし 「そんなつもりはなかったけれど(笑)、じゃあ、それを意識してみますね」
こうして始まったその日のセッションは、ほんとうに素晴らしいものとなりました。
まるで静かな深い瞑想のような経験であり、
身体に波紋のように静けさが広がっていく時間でした。
特に強い感情を感じることもなければ、身体のどこかが大きく動くこともなく、
脊柱が目には見えないほどわずかに振動しましたが、他には目立ったふるえもなく。
SEを知らない方がはたから見たとしたら、ただ座って息をしているだけ・・・
に見えたのではないかと思います。
でも、これは、ほんとうに身体の深い深いところが癒された時間だったのです。
ずっと昔のトラウマが癒されたセッションでした。
終わったときの身体の感覚で、そのことがわかりました。
アレも、「そう! これだよ、Junko。 素晴らしかったよ」と言ってくれました。
SEのことを少し知っている人なら、セッションで解放、完了が起こるのを期待します。
身体がふるえるとか、
身体が勝手に動くとか、
怒りを短時間で解放して楽になるとか・・・
そんなことが劇的に起こって、たった一回のセッションで症状がなくなる・・・
というようなことを。
まあ、たしかにそういうことも、SEではよく起こるのです。
あの日の私も、意識せずにそうしたことを期待して、力が入っていたのでしょう。
でも、あのセッションで、そのようなことは目立った形では起こらず。。。。
それでいながら、深い癒しは生じていました。
このとき、私が身をもって学んだことは
すべての期待を手放すこと、
ただ自然に起こることに身をゆだねること、の大切さでした。
自分で何かを起こそう、解放しよう、症状を癒そう・・・とするのではなく、
ただ、時間とスペースを身体に与え、待つこと。
そうしたとき初めて、そのとき必要なことが起こってくる。
だから、その起こってくることに、ただついていくということ。
SEの本質はそのようなことなのだなと、身体を通して実感したのでした。
よくなりたい、楽になりたい、という思いでセッションを受けてくださるのですから、
「解放が起こるといいな」
「今日は〇〇を解放しよう」
「早くこの症状がなくなってほしい」
・・・という期待があるのは自然なこと。
それでも、セッションが始まるときには、それを一度忘れることができるといいですね。
そのほうが、本当に起こる必要のあることが起こってきますから。
期待はプレッシャーや緊張となって、それが起こるのを妨げてしまいますからね。